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【レポート】地域活動に役立つクリエイティブ講座
2025年5月28日
コエトコが大切にしているのは、社会・地域課題の解決に向けたアプローチを「+クリエイティブ」に考えること。今回の研修「クリエイティブ講座」は、その考え方を体感しながら、実際に問題解決に役立つ手法を身につけることを目的として開催されました。テーマは「ことばとデザイン」。講師の事例や実践を通して、課題解決において大切にされていることを学ぶ一日です。
デザイナー・和田武大さんと学ぶ「伝わるデザインの視点」
前半は、和田さんの講座。地域活動やイベントなどの広報物制作の経験を踏まえ、「伝わるチラシやポスターを作るにはどうしたらよいか」を体験的に学びました。
まずは新聞折り込みチラシを観察するワーク。ベスト1とワースト1を選び、なぜそう思ったのか理由を言語化します。受け手として日頃何気なく見るチラシも、作る立場になると見方は変わります。同業で比べてみると、伝えたいことによってデザインはまったく変わることに気づきました。
そして、情報整理、受け手視点、思いやりのある工夫がデザインをする上で大切なポイントだと教わりました。
ワークでは、親子防災講座のポスターを制作。遠くから興味を引きつつ、近づいたら詳細を確認できる構成を意識しました。「主役を決めて他の情報は小さく」「情報の優先順位を明確に」といった具体的な工夫が、受け手の目にどう届くかを体感できました。
和田さんは最後に、デザインとは「伝えたいことを伝えるための工夫すべて」であり、創造よりも想像が大切であると強調。自分の思いだけでなく、受け手への思いやりが宿ると伝わるデザインになると教えていただきました。
編集者・高木大吾さんと学ぶ「編集・ライティング」
午後は高木さんより、編集者の視点で広報物の文章やキャッチコピーを学びました。「編集、ライティングの上達は、書いてなんぼ、読んでなんぼ」との言葉通り、たくさん書いて考える実践的な講座です。
高木さんは、編集とは「耳をかたむけ、目をこらし、点と点を見つけて結び、大きな絵を描くこと」と説明。関係のなさそうなもの同士に文脈を作り、世界を立ち上げる作業だと教えてくださいました。
また、下記の実践的なワークを通じて編集の難しさと楽しさを体感しました。
・見出しトレーニング
記事に見出しをつける練習。情報を絞り、簡潔に伝えることの難しさと面白さを体感しました。
・キャッチコピーづくり
新聞広告のキャッチコピー作成。発想の転換や身近なものとの紐づけが伝わりやすさのコツです。
・物語を生み出す
あるテーマを題材に自由な物語を作成。言葉で世界を立ち上げる楽しさを体験しました。
高木さんは最後に、「正しさ」よりも相手にとって「優しい」文章が大切であり、自分の言葉で世界を立ち上げることが編集のコツだと締めくくりました。
今回の研修で最も印象に残ったのは、デザインも編集も共通して「相手の視点に立つこと」が大切だということ。
・伝えたいことの優先順位を整理し、相手にとって必要な情報をわかりやすく伝える
・目立たせるだけでなく、受け手の立場や状況に寄り添った工夫をする
・書く・作ることを繰り返し、相手がどう受け取るかを意識して経験値を積む
さらに、日々の観察やインプットを通じて相手の視点を想像し、自分なりに考えて試すことが重要であると学びました。
参加者からは、「最初は長時間だと思っていたが、学びが多くあっという間だった」「デザインやことばに対する普段の考え方を見直すことができた」「今後の仕事に役立てていきたい」といった感想が寄せられました。
コエトコの「+クリエイティブ」なアプローチを体感し、課題解決の現場で活かせるヒントをたくさん得られた一日となりました。